
SDH・社会的処方学習会を開催しました
2月2日(土)、本部・ふれあい会館において、井村春樹(感染症専門医/尼崎医療生協病院医師・京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野 後期博士課程)氏を講師に招き、SDH・社会的処方の学習会を開催しました。主催は、ヘルスプロモーション推進委員会です。目的は、SDH(Social Determinants of Health=健康の社会的決定要因)の理論と視点を理解し、その知識を日常的な診療や看護・ケア・相談業務などに活かすことにありました。医師・看護師・ソーシャルワーカー・事務総合職など、多くの職種から約60人が参加しました。
約1時間15分にわたる講義のあと、グループに分かれ、「経済的困窮評価支援ツールを用いた事例検討」を行いました。事例として、「53歳 男性」の「臨床評価」と「社会歴」の情報が提供され、以下の3点についてグループで検討しました。
- ①経済的困窮評価支援ツールを用いて、利用可能な社会保障制度を探す
- ②実際に経済状況を確認するときに、どのように質問するか想定してみる
- ③経済状況以外のことについてどんな点が気になるか、挙げてみる
学習会後のアンケートの一部を紹介します。
「格差が拡大すると、富裕層でも健康を損なう社会環境になることがわかった。健康の社会的決定要因について、データや根拠を持ちながら考えていかなければならない」「患者さんについての少ない情報から、どう情報を獲得して支援に結びつけていくか、実践的に学ぶことができた」「社会的な制度や資源を、もっとうまく活用できるようになりたいと思った」「いろいろな職種の人と同じ課題をベースに議論できたことが、何よりも有意義だった」「SDHの理論面と実践面を同時に学ぶことができ、課題を解決するにはほかの人との共同的な作業が必要だとわかった」