
「私たちの命と医師を守る宣言」を普及しましょう
「宣言」とは何か、なぜ「宣言」を発表するのか
医療崩壊や医師不足がすすむ中、私たちにとって大切な医師や大切な医療を守るために、私たちに出来る事は何かを考えてきました。私たち医療生協の組合員と職員は、医師とともにひろく世の中に問いかけ、協力しあいましょうと呼びかける「宣言」をつくり、普及・実践することとしました。「宣言」は、「今こそ命を守れ、医療を守れ」の声を大きな運動にひろげるために、医療生協さいたまが社会に向けて発信しようとするものです。
「宣言とは、意志や方針を世間に表明すること」ですが、ここには、宣言する者自身が、意志に従い自らを律し、ときに実践の主体者になることが含まれると考えられます。意志をことばにして表現することで、対話がはじまります。理解や共感が生まれます。自発的な行動を促すこともありえます。
私たちの命と医師を守る宣言
今、日本の医療は崩壊の危機にさらされています。国が医療費を抑制するあまり、病院で働く医療従事者、とりわけ医師に大きな負担がかかっています。過重労働から、やむなく病院を離れていく医師が後を絶ちません。さらに、医師が医療事故によって刑事罰の対象になる状況が生まれたことで、医師の病院離れに拍車がかかっています。小児科や産婦人科を閉鎖する病院が相次ぎ、救急医療では受け入れ困難な状況に追い込まれています。この厳しい現状でも、多くの医師が地域医療を必死で支えています。今や、医師を守ることは医療を守ることに直結しています。それは、私たちの命を守ることと結びついています。
埼玉県は、住民数に対する医師数が全国でもっとも少ない県です。私たち医療生協さいたまは、住民と医療従事者が力を合わせ、よい医療をめざし、さまざまな取り組みをすすめてきました。医療崩壊を防ぐために行動することを多くのひとに呼びかけます。
私たちは、私たちの命と医師を守るために、以下を宣言します。
1.私たちは、医師をふやすために行動します。
- *医師不足のストレスによって、医師が病院を離れることがないよう、国に対し、医師をふやすことを求めます。
- *地域の病院で働き続ける医師がふえるよう、行政に対し、奨学生制度や医師の子育て支援制度などの充実を求めます。
2.私たちは、安全で安心な医療を、医師と協力してつくります。
- *医療事故や感染予防のために、患者ができることには、積極的に協力します。
- *医療には、限界もあることを理解します。医療事故の原因究明と再発防止および被害者の救済を目的とする制度の設立を国に求めます。
3.私たちは、医師が人間らしく働けるように、できることを考え行動します。
- *医師の過重労働の実情を理解し、多くの人に知らせます。
- *適切な受診ができるように、ふだんから、賢い病院のかかり方を身につけます。
- *ともに医療をつくるものとしてお互いを大切にし、ありがとうの気持ちを伝えます。
医療生協さいたまは、「医療生協の患者の権利章典」の実践として地域の人びとと手を取り合い、よい医療をつくるために行動します。
「宣言」を普及するために、すすめたいこと
- 1.医療情勢に関する学習活動をすすめること。
- 2.「私たちの命と医師を守る宣言」に基づき、支部や職場で、自分たちができること、やりたいことを話し合い、「私たちの行動宣言(仮)」をつくる運動をひろげること。
- 3.「宣言」の実践発表会などを、組合員・職員の協同で開催すること。
- 4.「宣言」をさまざまな団体や医療機関などへお知らせすること。
- 5.「医療を守れ、医師を増やせ」の署名運動や自治体への要請行動などに取り組むこと。
「宣言」を持って地域に出ましょう。そして地域医療を守る運動につなげましょう。