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原子力発電所事故と放射線被害(機関紙「けんこうと平和」2011年6月号より)

埼玉協同病院  副院長 雪田 慎二(ゆきた しんじ)

埼玉協同病院 副院長 雪田 慎二(ゆきた しんじ)

【プロフィール】
精神科医。埼玉反核医師の会代表委員。全日本民医連の被ばく問題委員会委員として、3月から5月にかけて、福島第一原発の事故の現地調査をおこなった。

放射能と放射線

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故で、放射能への不安が広がっています。放射能とは放射線を出しながら別の物質に変化していく性質のことをいいます。放射線は強いエネルギーを持っていて、人間にぶつかるとそのエネルギーで、細胞を壊したり、遺伝子を傷つけたりすることがあります。人間が吸収した放射線のエネルギーは被ばく線量(単位はシーベルト)で表され、多く吸収するほど、健康被害の危険性も高くなります。

放射線のひとつであるX線を使った撮影に、ある程度制限が設けられているのもこのためです。ただ、X線撮影によって人間が吸収するエネルギーは少量で、撮影することの利点(病気の早期発見など)のほうがリスクより大きいので、医療現場で活用されています。

外部被ばくと内部被ばく

放射線を浴びることを被ばくといいますが、外部被ばくと内部被ばくの2種類があり、この2つを区別して考える必要があります。外部被ばくはX線撮影のように体の外から放射線を浴びることです。

マスコミで「安全」と報道されているのは、外部被ばくのことです。確かに、今後新たに放射性物質が放出されなければ、福島県の一部地域を除いては、外部被ばくによる健康被害の可能性は低いと考えられます。広島・長崎の原爆症についての研究者たちも、これまで発表されている数マイクロシーベルトのレベルまでであれば、通常の生活は可能としています。広島・長崎の被爆者の方たちは、その1,000倍のミリシーベルトの単位の被ばくを体験しています。現状がまったく問題ないということではありませんが、放射線のことを気にして、被災地へ支援に行くのを控える必要はないということです。

一方内部被ばくは、吸い込んだり、水といっしょに飲んだり、食べ物についているものを食べたりして、体内に入った放射性物質が出す放射線で被ばくするものです。放射性ヨウ素のようにわりと簡単に体から出ていく物質もありますが、セシウムのように100日たっても半分が体内にとどまり、放射線を出しつづける物質もあります。後者のタイプが体内に入ると、至近距離から長時間にわたって放射線を浴びつづけることになります。

その結果、10年後、20年後という単位で、さまざまながんの発生率が高まることが懸念されています。しかも内部被ばくについては、外部被ばくと異なり心配しなくてもよいといえる明確な数値の指針がありません。

それでも、現状では、将来のがんの発生率を大きく押し上げるとは考えにくい。年間10ミリシーベルトで、1万人中、がんによる死亡者が数人増える可能性はあっても、検診活動を強化することで、早期発見、早期治療につなげていくことができます。

安全なエネルギーへ今すぐ転換を

日本の原子力発電所

ただ、今すぐ私たちがやらなければならないことがあります。それは原子力発電から危険の少ないエネルギーに転換すべきという世論の形成です。静岡の浜岡原発、新潟の柏崎刈羽原発など、地震が起こる可能性が高い地域の原発や老朽化した原発は、すみやかに廃炉を求めることです。これは10年もかけて議論する問題ではありません。

最後に、もうひとつ伝えたいことがあります。それは、私がここでお話しした安全かどうかの判断は、すべて、広島・長崎の被爆者のデータに基づいているということです。その意味で、66年前のできごとはまさに今とつながっています。大勢の命が奪われ、今でも病気を抱えている方がたくさんいます。原爆は、決して昔のことでも終わったことでもありません。そのことを心に刻み、新たな被ばく者を生み出さないよう、核兵器廃絶に向けた運動も続けていかなければなりません。

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