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広報紙 けんこうと平和

胃って本当に穴があくの?

「けんこうと平和」2008年7月号掲載

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健康も自己責任といわれる時代。体の働きを理解し、楽しく健康習慣をつけることができるよう、『けんこうと平和』が応援します。
今回のテーマは胃。あなたは胃がんや胃潰瘍の原因を作っていませんか?

忍 哲也(しのび てつや)

埼玉協同病院 消化器科科長 忍 哲也(しのび てつや)

胃は毎日がんばっています。
日ごろ不平も言わずに働きつづける胃だからこそ、思いやりをもってつきあいましょう。

消化に大切な3つの働き

胃は消化器官です。口の中でかんだ食物は、食道をさっと通過しますが、胃の中に2~4時間とどまって消化され、栄養を吸収しやすいようにかゆ状になります。

胃の消化には、化学的消化と物理的消化があります。食物が胃に入ると胃液が分泌され、胃液に含まれる胃酸で食物を溶かし、ペプシンという酵素でたんぱく質を分解するのが化学的消化です。物理的消化は、胃の周辺の筋肉が収縮するぜん動運動によっておこなわれ、食物は胃液とよく混ぜ合わさり、十二指腸に送られます。

胃酸はpH1~2の強酸性の物質で、食物と一緒に体内に入ってきた微生物などを殺菌する働きもあります。そんなに強い酸を出しながら胃壁が溶けないのは、胃粘膜から胃酸とともに粘液が出て、胃壁を守っているからです。胃粘液は、アルコールや薬剤などの刺激から胃を守る役割もあります。胃酸分泌、粘液分泌、ぜん動運動の3つがバランスよく働いて、胃は正常に消化吸収をおこないます。

痛みどめに注意!

ところがこの3つのバランスがくずれると、胃の調子が悪くなります。胃酸の量が増えたり、逆に粘液が減ったりすると、胃壁が溶け、潰瘍ができて貫通してしまう場合もあります。俗にいう「胃に穴があく」という症状です。ただし、そんな状態になるまでには、がまんできないほどの痛みにおそわれているはずなので、実際に穴があくまで放置されるケースは、めったにありません。

胃酸と粘液のバランスをくずす要因として、アルコール、ストレス、喫煙、薬などが考えられます。薬の中で、特に高齢者が注意しなければならないのは、痛みどめです。ひざや腰の痛みで処方してもらっている人も多いと思いますが、強い鎮痛剤を常用することで、粘膜を防御するしくみがこわれ、吐血につながることもあるのです。鎮痛剤の使用については、医師とよく相談してください。軽いかぜのときに自己判断で、朝昼晩、解熱鎮痛剤を飲むようなことも避けてください。

ストレスや加齢によって、胃のぜん動運動も低下します。消化に時間がかかるようになるので、処理能力以上に食べ過ぎると、食物が長い間胃の中にとどまり、胃もたれを起こすことになります。

ピロリ菌でがんになる?

胃の病気の中で、最も心配なものは胃がんでしょう。しかし、年に1回、バリウム検査を受けていれば、手おくれになる前にがんを見つけて、手術ができると考えられます。40歳を過ぎたら、自治体のがん検診などを利用して、ぜひ毎年受けましょう。

また、内視鏡検査では、早期がんの段階で見つかる可能性も高く、開腹手術をせずに粘膜をはがす治療ですむ場合もあり、特におすすめです。

胃がんに関係があることがはっきりしているのが、胃の中にすむ唯一の菌、ピロリ菌です。40歳以上の日本人の7割が保菌者といわれていますが、全員ががんになるわけではありません。ただ、ピロリ菌による慢性胃炎がある人は、発がんの危険性が高いので、大きな手術を避けるためにも、年に1回、内視鏡検査で経過を観察していくのがいいでしょう。

なおピロリ菌は、潰瘍と診断されれば、保険適用で駆除することができます。若い世代では、ピロリ菌の保菌者は減っています。

胃はきれいでも自覚症状あり

ところで胃がストレスに弱いことは、皆さんも経験からご存じでしょう。脳がストレスを感じると、交換神経が働いて、胃の血管が収縮し血流が悪くなります。そのため、胃酸や粘液が十分に分泌されなくなったり、ぜん動運動が低下するのです。また免疫力を弱める活性酸素が出て、胃壁を傷つけ、潰瘍やがんの原因になることもあります。

ところが一方では、痛みやもたれを感じながら、内視鏡検査でも問題はなく、胃酸も出ていて、胃は正常に機能しているという症例が増えてきました。これを機能性胃腸症と呼んでいます。日本人の4人に1人が経験しているようです。これもストレスが関係していると考えられます。現段階では、胃潰瘍の薬や漢方薬などを使って、自覚症状を改善するように工夫されています。

また、もともと高齢者に多いとされていた胃食道逆流症が、最近、若い人にもよくみられるようになりました。食べ過ぎやあぶらっこいものを摂取することで、食道と胃の境目の括約筋がゆるみ、その結果、胃酸など胃の内容物が逆流して、胸やけの症状を生じたり、食道炎により痛みなどを起こしたりします。逆流するときせきが出るので、ぜんそくと間違われていることもあるかもしれません。

胃の豆知識
所属:
消化器官
形態:
食道から続く伸縮性のある袋状の器官で、腸へ続く
容量:
最大時2L(個人差あり)
苦手なもの:
暴飲暴食、ストレス、たばこ
三大疾患:
がん、ポリープ、潰瘍
胃の豆知識
胃と関係のある器官
【脳】
料理を見たり、においをかいだりすると胃液の分泌を活発にする。ストレスを感じると胃の働きを低下させる。
【食道】
のどと胃を結ぶ食物の通路。胃との間にある括約筋が、胃液や食べ物の逆流を防いでいる。
【十二指腸】
脂肪分の多いものを食べると、胃に長くとどめて吸収させようとして、胃の働きを抑えるホルモンを出す。
【すい臓・胆のう】
胃の近くにあるので、胆石やすい臓の疾患を胃に問題があると誤解する場合もある。すい臓や胆のうの病気発見には腹部エコーやCTなどの検査が必要。
胃カメラ体験記

管も細くなったし、回を重ねるごとに力の抜き方もわかり、楽に受けられるようになりました。実際にカメラが入っているのは10分程度。それで1年間の安心が得られます。

(行田協立診療所地区 小池美津子さん)

市販薬にご用心

胸やけや胃もたれ、胃痛などによく効く市販薬もたくさん出ています。しかし、薬を飲むことで、症状は改善されても、根本的な治療になっていない可能性も多いのです。

前日に飲み過ぎた、食べ過ぎたなど、思い当たることがある場合は、一時的に市販薬を利用してもいいでしょう。しかし、症状が続いているというときには、まず受診して、必要な検査を受けましょう。

胃は、沈黙の臓器と呼ばれる肝臓やすい臓などに比べると、不調を訴えてくれますが、それでも胃がんの初期にはなんの自覚症状もありません。日ごろから胃に負荷をかけすぎず、定期的にがん検診を受け、いつまでも食事を楽しむことができる生活を続けたいですね。


胃を大切にする生活習慣
  • たばこを吸わない。
  • 規則正しい食事(長時間の空腹状態を避ける)。
  • あぶらっこい食事を続けない。
  • 塩分は控えめに(胃の発がん要因と考えられています)。
  • コーヒー、アルコールほか、刺激の強いものをとり過ぎない。

胃の検査あれこれ
  • 腹部X線検査(バリウム検査)
    現在、胃がん検診として効果を認められている方法。バリウムを飲んでX線撮影する。
  • 内視鏡検査(胃カメラ)
    口や鼻から細い管を入れて、胃壁の様子を撮影するもの。
  • ペプシノーゲン法
    血液中のペプシノーゲンの量を測定して、胃がんの可能性を調べる方法。
  • ピロリ菌検査
    潰瘍と診断された場合に実施。内視鏡検査時に細胞をとって培養する方法、尿素を飲み呼気中の二酸化炭素量を調べる方法、便の中の抗原を調べる方法などがある。

※どの検査も医療生協さいたまの病院・診療所でできます。鼻から入れる胃カメラについてはお問い合わせください。

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