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けんこうと平和

(10)胃がん 年1回の検診で安心!!

「けんこうと平和」2010年5月号掲載

もしあなたが1年に1回、胃がん検診を受けていれば、多くの場合、胃がんが見つかっても完治できます。
早期発見のために、胃のX線検査はきちんと受けましょう。

市川 辰夫(いちかわ たつお)

【監修者のことば】
埼玉協同病院外科 技術部長 市川 辰夫(いちかわ たつお)

胃がんも早期発見して、胃を切らずにすませることができれば、体に大きな負担がかかりません。しかし、自覚症状が出てから受診した人は、多くの方が手遅れです。胃がん検診は必ず受けましょう。

X線検査で胃がんは70~80%わかる

胃のX線検査によって、70~80%の確率でがんが発見できます。この検査は、胃がんによる死亡者が多かった日本で開発されたもので、日本が誇る検査技術です。

胃がんで亡くなる人は減ってきたとはいえ、依然、死亡原因となるがんとしては第2位。厚生労働省が胃がん検診をすすめている40歳以上の人は、自治体がん検診を低料金で受けることが可能です(もっと若い年代から対象にしている自治体もあります)。毎年検診を受けることで早期発見の可能性が高くなるので、自治体のがん検診のお知らせを見逃さず、忘れずに受診しましょう。

ただ、胃のX線検査で異常が見つからなければ胃がんではない、というわけではありません。というのは、胃がんはがんの中でも進行がおそく、がん細胞があっても、最初は画像として映らないくらい小さいことがあるからです。「異常所見なし」というのは、「今、この段階では、はっきりとわかるがんはありません」という意味です。また、胃がんはかなり進行するまで自覚症状(胃痛・吐き気が続くなど)がない場合も多く、だからこそ、毎年、検診を受けることが重要です。

早期なら内視鏡でがんを取ることも

胃X線検査で胃がんが疑われる場合、内視鏡検査(胃カメラ)で精密検査を受けます。内視鏡検査には、鼻から入れるもの(経鼻内視鏡)と、口から入れるもの(経口内視鏡)がありますが、精密検査では口から入れる検査が一般的です。異常が見つかったらすぐに細胞を取ることができるようにするためです。経鼻内視鏡では、画像がやや不鮮明で、検査に十分な細胞を取ることができない場合があります。

胃がんは進行の程度によって、I期からIV期に分けられます。I期の中でも、がんが粘膜の表面や浅いところにとどまっていると思われるときは、内視鏡を使ってがんを取ることができます。1~2時間かかりますが、開腹手術と違って全身麻酔ではないので、意識のある状態でできます。がん細胞を取ることでできた傷が自然にふさがるまで、1週間程度の入院が必要です。

内視鏡を使ってがんを取り切ることができれば、再発の心配はほとんどありません。ただ、胃がんにならずに一生を終える人と比べれば、胃がんになりやすい体質といえます。新しいがんができていないか、その後の定期検査は欠かせません。

胃を取ってもだいじょうぶ?

I期でも、粘膜の深い部分やリンパ節にがんが広がっていた場合や、II期、III期に進んでいた場合は、開腹手術で胃を取ることになります。切る範囲は、がんの進み具合やできている場所などを総合的に判断して決まります。

胃を全部取ると、食物が食道から直接、腸に流れ、十分に消化・吸収されずに排泄されますが、やがて小腸が胃の役割を代行するようになります。胃の一部が残っている人は術後3カ月ぐらいから、全部取ってしまった人でも半年ぐらいで、だんだん体も慣れ、仕事も含め日常生活に大きな支障はなくなります。1回に食べることができる量は少なくなるので、おにぎり、カステラなどの間食を準備しておくといいでしょう。

また術後の回復を助けるために、胃を全部取って食道と十二指腸や小腸をつなぐときに胃にかわるものをつくる方法や、手術時の開腹部を小さくする方法なども開発されています。II期・III期の人は再発を防ぐために手術後、抗がん剤を服用します。放射線療法は、胃がんに関しては有効性が特に認められていません。

ところで、胃のX線検査を毎年受けていても、進行性のがんが突然見つかる場合が、まれにあります。スキルス胃がんです。胃壁の表面に変化が出ないうちに、がん細胞が胃壁の中に入って広がってしまう特殊ながんです。早期における診断がつきにくいため、発見されたときには、進行していることがほとんどです。スキルス胃がんについても研究が進み、治療薬の臨床試験も始まっています。

年1回の検診で安心!!
胃と周辺の臓器
胃と周辺の臓器
内視鏡検査(胃カメラ)を受けました!
経鼻内視鏡が楽でした

八鍬みさ子(やくわ みさこ)
(埼玉協同病院西地区・芝西支部)

川口市の国保の人間ドックで、X線検査か内視鏡検査を選ぶことができるようになったので、経鼻内視鏡を選びました。検査を受けながら話ができて、便利だなと思いました。

ピロリ菌、潰瘍(かいよう)、ポリープはがんの危険因子?

現在、胃がんの原因として認められているのが、胃の中に存在するピロリ菌(正式名称はヘリコバクター・ピロリ)です。しかし、ピロリ菌がいれば必ず胃がんになるというわけではありません。確実にいえることは、ピロリ菌がいて、慢性胃炎で胃の粘膜が委縮している場合は、胃がんになる頻度が高いということです。日本消化器がん検診学会では、胃がんの早期発見のため、血液検査でピロリ菌と胃の粘膜の委縮状況を調べて、危険性が高い人には内視鏡検査をすることをすすめています。

胃潰瘍の人は、潰瘍が治ったときに、胃がんを調べることが大切です。胃潰瘍から胃がんに発展することはありませんが、がんが潰瘍でかくれていて発見できないことがあるからです。胃潰瘍で治療している人は、最後にがんの有無まで調べて、治療が終わると考えましょう。胃潰瘍がある人は、保険適用でピロリ菌を除去することができます。

胃のポリープにもそれほど神経質にならなくてもよいでしょう。長い期間胃の中にあるうちに、大きく成長してがんになる場合もありますが、あまり一般的なケースではないからです。


胃の健康を守るために
禁煙
厚生労働省の研究によれば、たばこをすっている人が胃がんになる確率は、すわない人の2倍です。
お酒はほどほどに
厚生労働省の研究によると、お酒を週に1回未満しか飲まない人と比べると、習慣的に飲酒する人は、食道につながる胃の上部にがんができる確率が、2~3倍になっています。
食べる量や時間、刺激物に注意
食べ過ぎ、特に刺激の強いものや油っこいものを続けて食べないようにしましょう。寝る直前の食事や、朝食を抜いて胃を長くカラにすることもやめましょう。
野菜や果物を適切に取る
1日に取りたい野菜は350~400g、果物は80gです。
塩分の過剰摂取を控える
さかなの干物、ハム・ソーセージ類、漬けものなどの食べ過ぎに注意しましょう。
1年に1回は胃がん検診を
日ごろ、胃に問題を抱えていない人も定期的に胃がん検診を受けましょう。また、よく胃が痛くなる、胸やけがするという人は、一度、受診して医師に相談するといいでしょう。

胃のX線検査を受けるときの注意
  • 妊娠中の人、胃の治療中の人、がんこな便秘の人などは受けられない場合がありますので、胃がん検診を受ける際に確認しましょう。
  • 検査後は、渡された下剤をすぐに飲むことはもちろん、できるだけ多く水分を取りましょう。翌日になってもバリウムが出ない場合は、すぐに受診してください。
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