ページ内を移動するためのリンク
トップナビゲーションへ
本文へ
フッタナビゲーションへ

医療生協さいたま

埼玉民医連

医療生協さいたま

大 中 小
埼玉民医連
  1. ホーム
  2. 健康コラム
  3. できる予防と知りたい治療
  4. (8)虫歯と歯周病 噛む力を失わないために

健康コラム

(8)虫歯と歯周病 噛む力を失わないために

「けんこうと平和」2010年3月号掲載

おいしく食べるのに欠かせないのが歯です。目標は80歳になっても自分の歯が20本以上あること。
いつまでも楽しく食べることができるように、歯みがきと定期健診で歯の健康を守りましょう。

武内 亮(たけうち まこと)

【監修者のことば】
あさか虹の歯科 所長 武内 亮(たけうち まこと)

口の健康は歯みがきに始まり歯みがきに終わるといえます。みがきにくいところもあるので、ぜひ歯科という専門家も活用してください。


歯の構造
歯の構造
噛めば歯も健康に

現代人が1回の食事で噛む回数は約620回。弥生時代の古代人は約4,000回といわれるので、6分の1以下です。調理をすることでやわらかい食べ物が増えたこと、忙しい生活で食事時間が短くなってきたことなどが、その原因と考えられています。

噛むことには、食べ物を噛み砕くほかに、非常に大切な役割があります。

  1. ①消化を助ける
  2. ②あごの発達を促す
  3. ③脳の血流をよくする
  4. ④唾(だ)液の分泌を促す
    などです。

よく噛めば胃の負担を軽くすることができますし、あごが発達すれば、美しい歯並びが期待できます。脳の血流がよくなると、大脳の働きも活性化します。ある高齢者施設で歯がまったくなく噛めない人と、自分の歯で食べることができる人の行動を調べたところ、歯のある人のほうが活動的という結果が見られました。

消化を助ける働きがある唾液には、他にも、口の中を健康にたもつという重要な役割があります。食べ物のかすや細菌を洗い流したり、虫歯ができる原因となる酸を中和したり、唾液の中に含まれる免疫細胞で菌の働きを抑えたりするのです。よく噛むことで、唾液がたくさん出て、歯の健康が守られるというわけです。

早期治療なら痛くない

ところが、歯が痛かったり、歯ぐきに炎症があったりすると、思うように噛むことができません。また、歯が1本なくなっただけでも、噛み合わせの相手の歯は、唾液の自浄作用が及ばず、虫歯になりやすい状況になります。

虫歯の原因は、歯に付着する歯垢(しこう)(プラーク)に含まれる虫歯菌(ミュータンス菌)です。この菌が食べ物に含まれる糖を分解して酸を作り、歯の表面のエナメル質を溶かして虫歯を作ります。虫歯を放置しておくと、菌が神経にまで及びます。最悪の場合は、神経も取ることになります。

しかし、神経を取ってしまうと、痛みという信号が送られません。そのため、治療後、詰めものと歯のすき間から再び菌が入って中で虫歯が進行した場合、気づかないうちに、歯根の奥まで虫歯菌におかされる危険もあります。歯根とは歯ぐきの下の歯槽骨(しそうこつ)で支えられている部分です。虫歯がひどく進んでしまうと、自分の歯を残すことはできなくなる場合もあります。最近では、神経を取らなくてすむように、神経に近い部分はけずらず薬で菌を殺す治療法も出てきました。保険の適用外ですが、医療生協さいたまでも導入を検討中です。

正しい歯みがきで歯垢を取り除くことで、虫歯を作らないことがいちばんですが、できてしまったときも早く受診すれば、痛くない治療が可能です。

全身の健康をおびやかす歯周病菌

虫歯にならなくても歯がなくなる病気があります。歯周病です。虫歯菌とは別の歯周病菌が原因で、最初は歯ぐきがはれたり、出血するという症状となって現れます。歯周病菌も歯垢の中にいます。

歯周病菌で歯ぐきが炎症を起こし、歯と歯ぐきの間にポケット状のすき間ができると、歯ブラシが届きにくいため、そこに菌がどんどんたまっていきます。そして、菌の働きによって歯を支えている歯槽骨が溶け出し、最終的には歯が抜けてしまいます。歯周病は進行しても痛みがないので放置されやすく、それだけにこわい病気といえます。

しかも歯周病菌は、血流に乗って全身の健康をおびやかすという危険があります。血管壁について血栓を作り、それが心臓や脳の血管を詰まらせたり、インスリンの効果を阻害する物質を作って、血糖値が安定しにくい状態にしたりするのです。ほかにも肺に入って誤嚥(ごえん)性肺炎の原因になったり、羊水に入って低体重児出産につながったりすることもあります。

歯周病菌を薬で駆除する方法もありますが、人間が生きている限り、体内から菌を全部追い出すことはできません。虫歯と同様に歯周病も、歯みがきで歯垢を取り除くことがいちばんの予防です。

噛む力を失わないために
正しい歯みがき習慣を

みがき残しがないように、上下の外側、内側、噛み合わせ面と、みがく順番を決めましょう(下図参照)。
健診時に歯みがき指導を受けるとよいでしょう。

歯をみがく順番を決めよう
歯をみがく順番を決めよう

外側から先にみがく、上をみがいてから下へなど、順番は自由です。歯ブラシを細かく、1カ所につき20~30回動かし、少しずつ移動していきましょう。

自分でできる歯の健康チェック
サリバスター検査

唾液で口の中の出血の状態がわかり、歯周病の早期発見につながります。(120円+消費税)

RDテスト

唾液の中の虫歯菌の数を調べます。虫歯菌が多い場合は、砂糖がたくさん入ったものを食べ過ぎないようにするなどの対策をとることが必要です。(試験紙10枚入りで1,300円+消費税)

※医療生協さいたまの歯科や本部で発売中。

歯がなくなってしまったら

治療が間に合わず、歯が抜けてしまった、あるいは抜かなければいけなくなった人や、事故などで歯をなくした人はどうすればいいでしょうか。

歯を補う方法としては、義歯、ブリッジ、インプラントの3つの方法があります。それぞれに短所と長所があります。

義歯は周囲の歯をあまりけずることなく、短期間でできますが、噛んだ感触が悪い、義歯をつけるためのバネの周りに食べ物がひっかかりやすい、見た目が悪いなどの短所があります。

ブリッジは噛んだ感触は自然ですが、つけるためには両隣の歯をけずる必要があります。この2つの方法では、なくなった歯の噛む力を他の歯が受け持たなければなりませんが、使う材質や設計次第で、保険適用も可能です。

インプラントは人工的な歯根を埋め込む方法です。異物感もなく、噛み合わせで他の歯に負担をかけることもありません。しかし、保険適用外なので高額な手術費がかかりますし(医療生協さいたまでは1本約40万円)、外科的な治療なので体に負担がかかります。健康状態によっては、インプラントが不可能な人もいます。また、インプラントにした場合も、歯周病にかかれば支える骨がなくなり、撤去しなければならなくなることもあります。

治療法は、歯科医とよく相談し、自分が納得できる方法を選びましょう。


口の健康をたもつために
  • 1日に1度汚れを落とし切る歯みがきを
    食後の歯みがき習慣とともに、就寝前には少し時間をかけて汚れをしっかり取り除きましょう。口の中の細菌は、眠っている間に活発に活動します。
  • 歯科で定期健診を
    半年から1年に1度は虫歯や歯周病の検査を受け、早期発見するとともに、歯をきれいにそうじしてもらいましょう。口内の細菌の死骸、食べ物のかす、唾液、血液中のカルシウムが固まって、歯にこびりついた歯石は、自分で取ることはできません。費用は2,500円程度(治療内容によって異なります)。

※あさか虹の歯科(朝霞市)、生協歯科(さいたま市)、行田協立診療所の歯科(行田市)で受けることができます。

このページの先頭へ
(C)Medical Co-operative SAITAMA All Rights Reserved.
(C)Medical Co-operative SAITAMA All Rights Reserved.