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けんこうと平和

(5)大腸がん 便潜血が陽性になったら?

「けんこうと平和」2009年11月号掲載

大腸がんは、日本人では2番目に多いがんです。
しかし検診を受けて早期発見し、治療をすれば、完治する可能性は高いのです。

※手術後5年以上再発しないことが完治の目安。

井上  豪(いのうえ たけし)

【監修者のことば】
埼玉協同病院外科 科長 井上 豪(いのうえ たけし)

大腸がん検診を受けることは、命を守ることに直結します。早い段階ほど治療の選択肢も多く、個々の患者さんにあった治療法を考えることができます。皆さんもきちんと検診を受け、早期発見に努めましょう。

年に1回は大腸がん検診を

大腸がん検診として広くおこなわれている便潜血検査は、費用も低額(下囲み参照)で、簡便でありながら、受診によって確実に死亡者を減らす検査です。早期がんの発見率は5割、進行がんでは9割を発見できます。

大腸がんの場合、進行がんでも5年生存率は6~7割と、手術で治る可能性が高くなっています。それだけに、検診を受けることには大きな意義があります。

40歳を過ぎたら、年1回健康診断を受けるときに大腸がん検診(便潜血検査)を受けましょう。次の検診までの間に便潜血の自己チェックを1回はさむと、より確実です。大腸がん検診で陽性(便潜血あり)になったときは、必ず内視鏡(カメラ)検査を受けましょう。

内視鏡検査は、通常、入院の必要はありません。ただ、大腸に便が残っていると検査の精度が低くなるので、下剤を飲み、事前に便を出し切っておく必要があります。内視鏡は肛門から入れ、大腸壁の様子をくまなくみて大腸がんを探します。異常が見つかったら、良性か悪性かを調べるために組織を一部取ります。内視鏡検査にかかる時間は通常15分程度で、長くても1時間ぐらいです。

もし大腸がんが発見されたら

内視鏡検査を受け、大腸がんと診断された場合、早い段階であれば、内視鏡でがんを取ることができます。がんが進行していて、内視鏡では取れない場合は、手術となります。

手術には、開腹手術と腹腔鏡(ふくくうきょう)手術があります。開腹手術では腹部を10~15cm切って開き、直接、がん細胞のある腸管を切り取ります。腹腔鏡手術は、炭酸ガスで腹部を膨らませて、腹部にあけた数カ所の小さな穴からテレビカメラや手術器具を入れ、モニターで手術をする部位を見ながら、遠隔操作でがんを取り除く手術です。腹腔鏡手術のほうが、がん細胞を取り出すために切る部分が4~8cmと小さいので、回復がはやいという利点がありますが、高度な技術を要する手術で、開腹手術に比べ、時間が長くかかります。

再発予防に放射線療法や化学療法

手術後、再発や転移がないか定期的に診察・検査するため、5年間通院することが必要です。再発予防のために、手術後も抗がん剤治療や放射線治療をおこなうことがあります。

抗がん剤などの化学療法や放射線療法は、がん細胞を小さくして手術をやりやすくしたり、手術ができない状態まで進行したがんの場合に、痛みなどつらい症状を抑えて患者のQOLを高めたり、延命のためにおこなわれることもあります。

なお、大腸がんがすでに肺や肝臓に転移していた場合でも、手術ができる状態であれば、まず大腸がんを取り、体力が回復したところで、転移している部分の切除手術をおこないます。

※Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)の略。人間らしい生活や尊厳が保たれている状態をはかる尺度として使われる。

結腸がんと直腸がんの違い

ところで大腸がんといっても、大きく分けて結腸がんと直腸がんの2つがあります。結腸がんの場合は手術で腸管を一部分取っても大きな問題はありません。しかし直腸がんの場合、直腸の周囲に、膀胱、生殖器、肛門などいろいろな機能が集まっているので、取る部分によっては、人工肛門が必要になったり、排尿機能や男性の勃起機能がそこなわれたりすることがあります。また、直腸がんは手術をしても再発することも多く、再発後に放射線療法、化学療法をおこなうこともよくあります。

なお埼玉協同病院では、人工肛門を造設した患者には、皮膚・排泄ケアの認定看護師がサポートをおこなっているほか、人工肛門患者の会「卯月(うづき)の会」で、悩みを解決する知恵を共有したり、学習会をおこなっています。

(「卯月の会」についての問い合わせは、埼玉協同病院外科外来・関根まで。電話:048-296-4771(代))

肥満と便秘を予防しよう

もともと日本人には少なかった大腸がんが増えたのは、食生活が肉食中心になり、高たんぱく・高脂質になったことに関係があるといわれています。では穀物と野菜だけの食事にすれば大丈夫なのかといえば、その効果が証明されているわけではありません。ただし、太らないことや便秘をしないことは、大腸がん予防の重要な要件です。

太っているのは、エネルギーの摂取量が多いことが原因なので、多くの場合、たんぱく質や脂肪分を取りすぎていると考えられます。また便秘になって、便を長く大腸内にとどまらせることは、便が大腸粘膜を刺激し、大きな負担をかけるので、がんになる危険性を高めます。野菜をしっかり食べ、運動することが大腸がんの予防になると考えられるのも、太らず、便秘をしないことにつながるからです。

なお、便潜血検査が陰性でも、絶対にがんがないとはいえません。下痢と便秘を繰り返すようになった、今までより便が細くなったなど、便の状態に変化が起きたときは、大腸がんの可能性が疑われます。こういった自覚症状があったときは、すぐに受診しましょう。家族に大腸がんの人がいる場合は可能性が高いので、特に注意が必要です。

便潜血が陽性になったら?
大腸の構造

大腸の中で、最もがんになりやすいのが、直腸とS状結腸です。上行結腸、横行結腸、盲腸、下行結腸はがんになる確率が低い部分です。

大腸の構造
大腸がんのステージ※病気の進行の度合いを表す。
早期がん
  • 0 期:がんが粘膜の内部にとどまっているもの
  • Ⅰ期:がんが大腸壁にとどまっているもの
進行がん
  • Ⅱ期:がんは大腸壁を超えているが、隣接する臓器には達していないもの
  • Ⅲ期:リンパ節に転移しているもの
  • Ⅳ期:肝臓や肺などに転移しているもの
検診を受けてよかった!

さいたま市 石井顥一郎 いしい こういちろう(68)

3年前に便潜血検査で陽性になり、埼玉協同病院で内視鏡検査を受け、下行結腸にⅢ期のがんが見つかりました。退職後久しぶりに受けた5年前の検診では問題がなく、次の年は検診を受けませんでした。今考えると残念です。ときどき下痢する以外、自覚症状はまったくなかったので、がんになったことに気づきませんでした。

内視鏡検査は、腸をカラにするために下剤を大量に飲むのが大変でしたが、検査自体は、自分の体に起きていることをつきとめるという思いで、いやな感じはありませんでした。手術を受け今はとても元気になり、ちゃんと検診を受けてよかったと思っています。


大腸がんを見逃さないために
  • 病院・診療所で大腸がん検診(2日法)を受診:組合員は1,050円、未組合員は2,100円(自治体のがん検診を利用して、より低費用で受診することもできます)

    ※便潜血検査が陽性の場合は内視鏡検査を受けます。(検査費用は3割負担で5,100円前後。生体組織検査に10,000~17,000円)

  • 班会などで自己チェック:便潜血チェック用資材は、医療生協さいたまの事業所で350円(1回分)で販売中。

    ※便は、上下左右と2方向に広くなぞって取りましょう。

便潜血チェック用資材
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