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- (1)健康診断 上手に受けよう、健康診断
「けんこうと平和」2009年7月号掲載
病気の早期発見・早期治療だけでなく、生活習慣を見直すためにも健康診断が大切です。
医療生協さいたまは、内容も費用も安心の「健康づくり健診」で、皆さんの健康づくりをサポートします。
【監修者のことば】
埼玉協同病院 健康増進センター所長 小池 昭夫(こいけ あきお)
健康診断で体の悪いところが必ず見つかるわけではありません。ただ1年に1回受けて、体の状態を確認しておくことで、具合が悪くなったときに何が問題か考えるための基準になります。健康増進センターでは、健診の受け方や、生活習慣や労働環境の改善も含め、皆さんの健康づくりを支援しています。ぜひご相談ください。
特定健診の目的は生活習慣病の発見
40~74歳(妊婦は除く)に義務化された特定健診(正式名称:特定健康診査)が始まって2年目になります。もともと健康診断は、体全体の自覚のない病気を、早い段階で発見・治療しようと始まったものです。しかし特定健診は、国の医療費を削減する目的で、糖尿病予備群をはじめ、肥満からくる生活習慣病の早期発見に的をしぼっています。体全体をみるものとはいえないのが実情です。
とはいえ、無料または低料金で受診できるので、利用したほうがよいのはもちろんです。今年度から、前年の結果に肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などの傾向が見られる人は、医師の判断で、詳しい血液検査、心電図、眼底検査が加わります。
特定健診も医療生協さいたまで
特定健診になった影響を大きく受けたのは、これまで自治体の基本健康診査を受けていた会社員の妻など、協会けんぽや健康保険組合(以下、組合健保)の加入者の扶養家族と後期高齢者です。組合健保などの主婦健診を利用していた人も、内容が縮小された例があります。特定健診になって受診対象者が増え、十分な予算が取れなくなったためです。
特定健診は、実施者である保険者が受診機関を指定するので、昨年度の健康診断では、いつも利用している病院や診療所を利用することができなかった組合員もいました。しかし今年度からは、医療生協さいたまのすべての病院・診療所で、協会けんぽの特定健診を受診できます。また、日本人間ドック学会に加盟したので、ほとんどの組合健保の加入者にも対応できます。国民健康保険(以下、国保)加入者には自治体によっては対応できませんが、不十分な特定健診を、医療生協さいたまが独自におこなっている「健康づくり健診」で補いやすくなりました。
なお、昨年度の特定健診受診率が低かったことから、自治体の中には、今年度の特定健診から低料金、または無料で、心電図や胸部レントゲン、尿酸値や貧血検査などを加えているところもあります。
特定健診で足りない検査は?
基本の特定健診だけでは何が不足するのでしょうか。まず、貧血、痛風、腎機能の問題などが見過ごされる危険性があります。また、肺がんや肺結核をみつける胸部レントゲン撮影がありません。結核は決して過去の病気ではありません。
狭心症や心筋梗塞などをみる心電図も、基本的には入っていません。特定健診で、腹囲や血糖値に少し問題があるということで、ウオーキングに励む人も多くいます。しかし、血糖値や血圧、コレステロール値に問題がある人が、いきなり運動を始めるのは危険です。医療生協さいたまでは、特定保健指導の対象者になった人には、健康な生活習慣づくりに安全にとりくむことができるように、まず心電図で心臓の状態を確認することをおすすめしています。
特定保健指導って何?
特定健診の結果、生活習慣病の予備群と見られる人に対して、医師・保健師・管理栄養士が生活習慣を見直し、改善するサポートが特定保健指導です。以下にあてはまる人が対象となります。(あてはまる数によって、サポートの程度は異なります)
- 肥満:
- BMI25以上、腹囲が男性85cm以上、
女性90cm以上 - 血圧:
- 収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上
- 血糖値:
- 100mg/dl以上(空腹時)、グリコヘモグロビン(HbA1c)が5.2以上
- コレステロール:
- 中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満
医療生協さいたまでは、毎年健診スタート集会で、上手な健診の受け方を学習します。(写真は埼玉西協同病院地区と老健さんとめ地区の集会)
がん検診の受診率が低下!
特定健診を実施するのは各保険者ですが、がん検診は自治体の担当です。厚生労働省は、がんによる死亡者を減らすため、がん検診受診率50%の目標を掲げていますが、実施主体が別になって、基本的な健診と同時に受けられなくなったため、受診率が低下している自治体が多く見られます。
なお、職場で定期的に健康診断を受けている会社員でも、労働安全衛生法では雇用主にがん検診を義務づけていないので、がん検診が入っていない場合もあります。自治体のがん検診を利用すれば、検診費用も低く抑えることができるので、ぜひ受けましょう。
若い人、高齢者に健康診断は不要?
特定健診は対象年齢が定められていますが、それよりも若い人や高齢の人は健康診断を受ける必要がないわけではありません。
肥満による生活習慣病は40歳になったら突然発症するわけでないので、若いうちから1年に1度は健康診断を受け、自分の健康を管理していくことが大切です。特に、20歳のころと比べて体重が10 kg以上増えたような人は、早めに受診して、生活習慣の改善にとりくみましょう。女性は20歳から自治体の子宮がん検診の対象になるので、その機会に一緒に全身の健康診断を受けるといいでしょう。
後期高齢者医療制度に加入している75歳以上の人(65~74歳で障がい認定を受けている加入者も含む)の公的健診制度は、後期高齢者健診ですが、今年から国保ドックと同様の条件で後期高齢者ドックを実施している自治体もあります。
自分の健康がどんな状態にあるか、確認しておくことは、年齢にかかわらず必要なことです。そして、健康診断で問題が見つかったときは、必ず医療機関で受診し、治療や生活習慣改善に結びつけましょう。それが健康診断の大切な目的です。
●取材協力:埼玉協同病院健康管理課 保健課長・佐藤優子
あなたにおすすめする健康診断(例)
- 職場で定期健康診断を受けている方
がん検診も忘れずに受診しましょう。 - 39歳以下で特定健診の対象外の方
自治体の健康診査※や健康づくり健診を利用しましょう。 - 75歳以上の方
後期高齢者健診に健康づくり健診を加え、がん検診も受けましょう。自治体によっては、後期高齢者ドック※も実施しています。 - 国保加入者で特定健診の対象者(40~74歳)の方
特定健診か、国保ドックを選択して受けましょう。
・特定健診には健康づくり健診、がん検診をプラスしましょう。
・国保ドックはがん検診を利用すると受けられません。 - 夫が入っている健康保険で、特定健診の対象(40~74歳)の方
保険者が提供する健康診断を受け、足りない場合は健康づくり健診を加えます。自治体のがん検診も利用しましょう。
※自治体によって、39歳以下の自治体の健康診査や後期高齢者ドックの実施状況は異なります。
できるだけ、特定健診、自治体のがん検診など、公的な健診・検診を利用しましょう。
医療生協さいたまでもご相談に応じています。
「健康ファイル」を作りましょう
「健康ファイル」とは、自分の健康に関係する資料を、市販のクリアファイルなどを使ってまとめておくものです(右図参照)。
日ごろの健康管理にいかせるだけでなく、受診するときにこのファイルを持っていけば、治療方針の参考になります。
医療生協さいたまで最適な健康診断を!
健康診断を受ける機会がない方のために、医療生協さいたまでは、健康づくり健診、がん検診、半日ドックなど、さまざまな健康診断を準備しています。予約時に、受けたい検査や、心配なことなどを伝えましょう。足りない検査を追加したり、予算に合わせた上手な受け方をアドバイスできます。利用する病院や診療所の窓口、または電話でご相談ください。
●半日ドック
- 内容
- 「健康づくり健診」の全項目
- 視力検査
- 聴力検査
- 眼圧検査
- 胃レントゲン
- 腹部エコー
- 費用
- 37,000円(税込み)
●医療生協さいたまの「健康づくり健診」(組合員対象。旧・組合員健診)
※1 胸部レントゲンは、結核や肺がんを見つけます。結核の検査としては30代から隔年で受けるといいでしょう。喫煙など肺がんの危険因子がある人は、半年に1回が推奨。
●「健康づくり健診」に加えられる検診(がん検診など)
自治体のがん検診は、より低料金で受けられる場合があります。
| 名前 | 内容 | 受けたい年齢 | 受けたい頻度 | 費用(組合員) | 費用(未組合員) |
|---|---|---|---|---|---|
| 胃がん検診 | バリウム検査(レントゲン) | 40歳~ | 1年に1回 | 5,000円 | 8,400円 |
| 肺がん検診 | CT検査※2 | 40歳~ | 1年に1回 | 10,500円 | 対象外 |
| 大腸がん検診 | 便潜血検査(2日法)+問診 | 50歳~ | 1年に1回(半年後に自己チェックを入れると、効果的) | 1,050円 | 2,100円 |
| 腹部エコー | エコーで、肝臓、胆のう、すい臓、腎臓などに腫瘍や石、ポリープなどがないかをみる。 | 35歳~ | 1年に1回 | 3,150円 | 5,250円 |
| 前立腺がん検診 | PSA検査という血液検査 | 50歳~ | 1年に1回 | 2,100円 | 3,150円 |
| 乳がん検診 | マンモグラフィ※3 | 40歳~ | 2年に1回(毎月、自己チェックを) | 4,200円 | 5,250円 |
| 子宮がん検診※3 | 細胞診。40歳からは子宮頸がんだけでなく、子宮体がんの検査も。 | 20歳~ | 2年に1回 | 5,250円 | 6,300円 |
| 骨粗しょう症検診※4 | 手や足の骨のレントゲンを撮って測定。 | 18歳~ | 数年に1回程度。閉経後は1年に1回 | 1,050円 | 2,100円※4 |
※2 CT検査は1日に吸う本数×喫煙年数が400を超える人、日ごろから、せき、たん、息切れの症状がある人に。埼玉協同病院、埼玉西協同病院、秩父生協病院、熊谷生協病院で実施。
※3 マンモグラフィと子宮がん検診は、埼玉協同病院で実施。
※4 骨密度検診は、女性で、やせている、BMIが低い、早く閉経した、腰が曲がっている、過度のダイエット経験がある人におすすめ。若いときに受けることで、改善につながります。埼玉協同病院は検査の方法が異なり、費用は2,100円(組合員)、4,200円(未組合員)となります。

