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健康コラム

「けんこうと平和」2012年2月号掲載

血圧の「常識」 ホントのホント血圧の「常識」 ホントのホント

内山 隆久(うちやま たかひさ)

【監修者のことば】
川口診療所 所長 内山 隆久(うちやま たかひさ)

高血圧のきざしに早く気づけば、いつまでも健康に暮らすことができる可能性が高くなります。
若いときから血圧を意識しましょう。

血圧はなぜ高くなる?

血圧は、血液が動脈の壁を押す力です。血液が全身に十分な栄養や酸素を届けるためには、ある程度の血圧が必要です。

体を流れる血液の量が増えたり、血管の弾力性が失われたりすると、血圧が高くなります。たとえば、塩分を取り過ぎると血中の水分が増える、血管にコレステロールがたまると血管壁が厚くなる、加齢で血管の弾力性が失われて硬くなるといったことが重なって、血圧は徐々に高くなっていきます。それにもかかわらず、自覚症状がない場合がほとんどです。

高血圧の原因には、糖尿病、心臓病、腎臓病、甲状腺機能亢進症、妊娠中毒症などの病気や、親からの遺伝もありますが、6~7割は、食生活、喫煙、飲酒、ストレスなど、いくつかの生活習慣が重なっている場合が多いと考えられます。遺伝のように思われていたものが、実はただ単に、親の生活習慣が子どもに引き継がれてということもあります。

高血圧が続くと動脈硬化が進み、動脈硬化によってさらに血圧が高くなるという悪循環に陥ります。その結果、将来的に、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、腎臓病、眼底出血など、重大な合併症の危険性が高まります。

低血圧は改善できる?

収縮期血圧が100mmHgに満たない状態を低血圧症といいます。疲れやすい、元気がでない、食欲がない、よく眠れないなどの症状がありますが、特別な病気ではないことが多く、血管に負荷がかかりにくいともいわれています。

症状を緩和するには、1日に水を2リットル以上飲んだり、午前中にカフェインが含まれるコーヒーや緑茶などを飲むとよいでしょう。血液の循環を改善させる下肢静脈瘤用のストッキングや、腹部を圧迫するガードルの着用も効果があります。

家庭での測定が大切です

血圧は1日のうちでも変動しています。体を休めている夜間は低くなり、朝起きてから上がりはじめ、午前より午後のほうが少し高めというのがふつうです。食事や運動の後や、熱いおふろに入ったとき、強いストレスを感じたときにも、血圧は一時的に高くなります。

また測る環境によっても変わることがあります。「白衣高血圧」といって、医療機関で測定すると高くなる人もいれば、逆に、医療機関で測ると正常で、自宅での血圧が高くなる「仮面高血圧」の人もいます。後者では、医療機関で測定するだけでは高血圧を見逃すことがあります。夜間や早朝に急激に高くなったりすることもあるので、自分の本当の血圧の状態を知るためには、家庭で毎日測定し、記録することが大切です。

高血圧は予防できる!

血圧は、禁煙、節酒、適正体重の維持、食事や運動など生活習慣全体を改善することでコントロールできます。

食生活では、塩分は1日10g以下(できれば6g程度=小さじすりきり1杯分)に抑え、脂肪分を減らすために肉よりは魚を、また野菜や果物を積極的にとりましょう。(腎臓病や糖尿病の人は医師に相談してください)

運動では、早足歩行、水中歩行、太極拳、ラジオ体操、サイクリング、社交ダンスなどがいいでしょう。

体重を5kg減らすと血圧は4mmHg下がるといわれています。BMI(体重指数)25以下をめざしましょう。

1日の血圧の変動リズム
(正常血圧の40代男性の例)

1日の血圧の変動リズム

BMI(体重指数)

治療の基本は生活習慣の改善

高血圧で受診をしても、脳・心臓・腎臓などに合併症が起こるリスクが低ければ、すぐに服薬治療が始まるわけではありません。最初は医師の指導で、生活習慣の改善から始めます。

もちろん、収縮期血圧が180mmHgを超えている場合や、140mmHg以上で、糖尿病や脂質異常症などの病気や高血圧の家族歴といったリスク因子があるなど、服薬治療がすぐに必要な人もいます。こうしたケースでも、服薬治療と同時に、禁煙、減塩、節酒、体重を減らすなど、生活習慣の改善にとりくむことが大切です。

140mmHg以上でもリスク因子がなければ、まずは1ヵ月程度、生活習慣を改善しながら、家庭で毎日血圧を測って様子をみます。1ヵ月経っても血圧が下がらなければ、受診するといいでしょう。

服薬を開始すると、原則として一生飲み続けることになります。生活している以上、血圧を上げる要因を完全になくすのは難しいからです。うまくコントロールできている状態が続けば、医師の診断で一時休止できる場合もあります。薬の副作用がないかどうかを確認するためにも、定期的な受診は必要です。

なお、高齢者の高血圧の治療にあたっては、穏やかに下げるのが原則です。


血圧の正しい測り方

血圧は原則として上腕で測ることになっています。家庭で血圧測定を始めるときは、最初は両腕で測り、ほぼ同じであれば、次回からはどちらか決めたほうの上腕部で測ります。何度測っても、左右で明らかな差があるときは、片方の血管が詰まっている可能性があるので、受診してください。

  • 毎朝ほぼ同じ時刻に測る(起床後1時間以内で食事を取る前に)。
  • すわって測る。
  • カフの下側は、ひじから指1~2本分上になるように。
  • カフは素肌に、指が2本入る程度の強さで巻く(下着など薄いものの上ならOK)。
  • 腕をまっすぐに伸ばし、カフを巻いた部分が心臓の高さになるように、ひじの下にタオルを入れて調節。

※理想は朝と就寝前の2回の測定です。できれば2~3回測って平均値を記録します。

血圧の正しい測り方

血圧の分類基準(WHOと国際高血圧学会による)
血圧の分類基準(WHOと国際高血圧学会による)
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(C)Medical Co-operative SAITAMA All Rights Reserved.
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